大事なプレゼンの時など、皆の前で何かを発表する時って、緊張しますよね。
昔の私もそうでした。
新人の頃、担当患者さんのプレゼンが週1回あったのですが、前日に必死に準備しても、いざ本番になると緊張して思うようにプレゼンできないことが日常茶飯事でした。
しかし、今では、大きなホールでの学会発表や英語でミーティングする際も、程よい緊張感で行えるようになりました。
今回はそんな、緊張感をうまくコントロールする方法を紹介します。
本番の前に充分緊張しておく
本番に緊張する、当たり前です。その緊張感を頭の中で先取りしてしまいましょう!
まず、事前に会場のイメージをします。どんなところでやるのか、知っていればより具体的なイメージができます。そして、誰に、話すのか。何人くらいに話すのか。出来るだけリアルに、本番よりも厳しそうな場面を想定してます。
たとえば、厳しい質問がきて、どう答えていいかわからないとき。話す内容が一部飛んでしまったとき。早口になって焦ってしまったとき。聞いている人がつまらなそうな顔をしているとき。この時点で、逃げ出したくなるくらいの緊張感を味わっておくことがポイントです。
次に、ミスをした時にどう対処するかを考えておきます。たとえば、話す内容が一部飛んでしまったときは、「申し訳ありません。一部内容を飛ばしてしまったので、少し戻ります。」という。どう答えていいかわからないときには、「勉強不足ですいません。もう一度わかりやすく説明していただけますか?」と答える、など、とりあえずのイメージを作っておくのです。
これは、心理的な緊張感を緩めるものなので、本番にその通りやらなくても構いません。なぜなら、あまりにも、正確なイメージを作り上げてしまうと、その通り出来ないと新たな緊張の種を生み出してしまうからです。
ミスを想定して、その心理的な影響とそれを対処しているイメージをあらかじめ作っておくことが重要です。
本番1日前までにイメージを作っておきましょう。そうすることで、本番になった時、意外と大丈夫だな、と感じることが増えると思います。さらに、「本番」の場数を踏むことにより事前イメージが作りやすくなります。
最初をたくさん練習しておく
プレゼンの場合、最初の部分(1-2分程度)を特によく練習しておくと、精神的な安定につながります。
その際は、発声に注意しましょう。本番で緊張すると声が上ずって普段の発生より高い声で始めてしまうことがあります。自分が話しやすい声のトーンはどの程度なのかを把握しておきましょう。
慣れてきたら、自分が話しやすく、かつ他の人が聞きやすいだろうな、と思うトーンを探ってみてください。自分の声を録音して聞いてみるのも効果的です。
また、自分がどのペースで話すのか、も重要です。本番は早口になってしまうことが多いので、すこしゆっくり話すことを意識すると効果的です。
もし、時間制限がある場合、自分のペースがつかめてきたら、全体を練習してどれくらいのペースで話せば、制限時間と一致するのかも確認しておきましょう。
何度も冒頭を練習しておき、声のトーンと話すペースをつかんでおくと、途中で少し失敗しても大きく崩れることなくプレゼンを進めることが出来ます。
本番直前は開き直りが大事
本番直前になってきたら、緊張感が増すと思います。緊張を消す、と考えずに、緊張の波を乗りこなすようなイメージを持ちましょう。
ここで重要なのが、自分を客観的にみること(メタ認知)です。
たとえば、学会だとすると、自分自身は自分の発表にフォーカスしていますが、他の人はどうでしょう?きっと多くの発表のうちの一つですし、もしあなたが失敗しても、99パーセントの人は1日で忘れるでしょう。他人はあなたが思っているほど、あなたに関心がないものです(笑)。
また、究極的には、「プレゼンで失敗しても死ぬわけじゃないし、まあ失敗してもいいか。」くらいに開き直る方がかえって上手くいくことが多いと感じます。
完璧にやろうという気持ちを捨てれば、練習を一通りしていれば、大きな問題なく乗り切れるでしょう。
是非試してみてくださいね!
・本番より厳しい状況をイメージして、事前に体験しておく
・プレゼンは滑り出しが重要!声のトーンと話すペースをよく練習しておく
・直前は、「失敗してもいいや」と開き直ることで、完璧主義から解放され、かえって上手くいく
声の調子に関しては、ジャパネットたかたを創業された高田社長の本が非常に参考になりました。
「伝えることから始めよう」 高田 明 著
声をはじめとする表現力をより深く学びたい方は、こちらもおすすめです!
「風姿花伝・花鏡」 世阿弥、小西甚一 著